チョコよりも甘く
あたしが薬を取りに行ったことに勘付き、玲汰はキッチンへミネラルウォーターを取りに行く。

玲汰は本当に気が利く。





「あ…そういえば、佑さぁ、俺が自己紹介するまで俺のこと紗姫の彼氏だと思ってたらしくてさ……、姉ちゃんの彼氏さんでしょ!?とか言われちゃって…。なんかてれるよな。」




玲汰は頭を掻きながら照れていた。





その姿を見て、可愛いと思ってしまうあたしがいた。




「そんでさ、玲汰って呼んでな、って言った時、あいつさぁ、え!!龍斗さんじゃないの!?って言ってきたん……」




玲汰は途中で喋るのをやめた。






紗姫は棚から薬を探していた手が止まり、再びあの記憶と感覚が思い出された。




龍斗のあの冷酷な瞳。
そして玲汰に逃げてしまった自分の、玲汰に対しての罪悪感。








「わりぃ…そうゆうつもりじゃ…。」




玲汰は、今龍斗の事を口にしてしまったことで紗姫の気を動揺させてしまった事を後悔した。


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