チョコよりも甘く

選択

あたしは急いで龍斗の元へ向かった。

玲汰が呼んでくれたタクシーに乗って。


龍斗の家に着いた。

あたしは緊張しながらもインターホンを押した。


(玲汰…、、あたし怖いよ。龍斗の顔を見るのが怖い。)

あたしは玲汰のことを考えていた。そして手にしている携帯を強く握った。



―ガチャ

門は間もなく開き、あたしは中へ入った。


「お待ちしておりました、お坊ちゃまはお部屋にいらっしゃいます。」
執事が中で待ち構えており、あたしは吃驚したがすぐに頷き、家の中へと入って行った。



長い廊下を歩いてゆく。まるで永遠に続いているかのようなこの廊下。


後戻りはできない。


―――玲汰、あたし…どうなっちゃうのかな、


不安でいっぱいだった。


やっとついた、龍斗の部屋。ドアには筆記体で《Ryuto》と書いてある。

あたしがノックをしようとした瞬間、ドアが開いた。



そこに立っていたのは、電話で聞こえたあの冷酷な龍斗では…なかった。

いつもの、優しい瞳をした龍斗だった。




あたしはほっとして、涙が流れた。


―――龍斗…あたしの最愛の龍斗…、


あなたはあたしを許してくれるの?


しばらく沈黙が続き、それを遮るようにして口を開いたのは、龍斗だった。
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