チョコよりも甘く
「高瀬ー!誰かさんが体育倉庫で呼んでるよ!!」
紗姫がシュートをあっけなく外したとき、クラスの男子たちが来た。
「誰かさんって?」
あたし、なんかしたっけ?先輩からの呼び出し?
紗姫は不安になった。
「行けばわかるよ」
男子はニヤニヤしながら言った。
行ったほうがいいのかな…
でも、何があるかわかんないし…怖い
「紗姫、行ってきなっ」
葵が背中を押した。
「葵…」
紗姫はすがるような目で見つめた。
「大丈夫だから…」
「うん、」
葵にまで大丈夫だと言われてもまだ少し不安があった、
しかし葵に励まされ、行くことに決めた。
「じゃ、行ってくるね!」
そして走って体育倉庫に向かった。
心臓が高鳴る。
一方、体育館で二人の行き先を見守る生徒たち。
「南城くんとうとう決めたんだね!」
「ああ。かなり時間かかったけど…」
「紗姫全然気付いてないし、」
「あいつはほんと鈍感すぎるよ!」
男子たちは口々に同意の意見を口にした。