チョコよりも甘く
「俺でいいのか?」


龍斗は唇を離し、疑うように聞いてきた。





そして、紗姫の胸の奥底に秘めていた想いがこみ上げてきた。






あたしの1番大切な人は龍斗なんだ。
あれだけ支えてくれた玲汰を、あたしは裏切ってしまった。



紗姫は、言葉に表せないくらいの想いを涙として外に出した。







「あたし…龍斗がすき。」



この気持ちに嘘はない。
あたしはこの人を愛していくんだ。
もう二度と逃げたりしない。





紗姫はそっと心の奥で誓った。





「もう、どこにも行くな。」


龍斗はギュウッと抱きしめた。
紗姫は、肩の辺りに雫が垂れたのを感じた。



龍斗の涙だ。




紗姫は龍斗の腰に手を回し、抱きしめ合った。





この瞬間がどれだけ幸せだったか。
2人で苦しみを乗り越え、再び愛し合った。
この絆が切れるなんて思ってもいなかったんだ。




あたし自身、この先過ちはないだろうと思っていた。
龍斗だってそんなこと考えてもいなかったはず。








ねぇ、龍斗…


あたしたちはどうしてあんな風になったの?








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