チョコよりも甘く
紗姫は黙ったまま、龍斗の辛さを感じていた。

裕福な家庭。何不自由ない生活。

そう思っていた。



龍斗、辛かったね、、、あたしが、守ってあげるよ。








この紗姫の想いが後になって、余計に龍斗を苦しめるなんて、夢にも思わず、紗姫はただ、龍斗を想い続けた。







紗姫の家の近くになり、執事が口を開いた。

「紗姫様、わたくしめがこの話をしたこと、坊ちゃまにはおっしゃらないでいただけますか?…おそらく、坊ちゃまは…」

そこで執事は話すのをやめた。


あたしは続きを知りたかったが、静かに頷いた。


紗姫の家に着き、執事は「おやすみさないませ」とだけ言い、帰っていった。

< 136 / 172 >

この作品をシェア

pagetop