チョコよりも甘く
体育倉庫の中にいたのは、あたしのすきな〝南城龍斗〟だった。

自分でも心臓の音がわかるくらい緊張している。




「遅い。」



南城くんはその一言だけ言うと、あたしの腕をつかんで奥へ連れ込んだ。




「あのー、何でしょうか?」

紗姫は少し気を使いながら聞いた。


そして南城くんは積んであるマットの上に座り、質問を返してきた。




「玲汰のことどう思ってんの?」

「え、…?」



紗姫はいきなりの質問につい戸惑ってしまった。



「だから、玲汰のことどー思ってんの!?」



南城くんはキレ気味に言った。

こんな人だったけ?って思うくらいの変わりぶりだった。




「玲汰はただの友達だよ、」


紗姫は外方を向いて答えた。




「じゃあ何で名前で呼び合うんだよ?」




「南城くんにはカンケーないじゃん!!」


おもわず強く言ってしまったことに後悔した。






「…ムカつくんだよ!!玲汰がお前のことばっか話すからっ」



「……。」


紗姫は黙っていた。



すきな人にムカつくって言われ、すごく悲しかった…



「玲汰と関るなよ!」







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