チョコよりも甘く
「今まで黙っていて…なかなか言えなかったんだけどね、」




お母さんはあたしの目を見て真剣に語り始めた。
怒る様子はなかった。






「私たち、出来ちゃった結婚なのよ…」





え?

確かに今までお母さん若いと思っていたけど…

そんないきなり…






「お母さんが16歳の時、同じ高校の卒業生のお父さんに出会ったの。」





お母さんは懐かしそうに、テレビの横にある写真を見た。
出逢った当時のものだろう、お母さんは制服を着ている。







「お互い一目惚れでね、…それから赤ちゃんが出来たの。」




ふとお兄ちゃんの顔が頭に浮んだ。






「結婚して一緒に育てようってお父さんは言ってくれたわ。…でも、まだ早いってのが世間からの意見でね、」




翔はそんなこと言ってくれなかった。
あたしは愛されてなかったのかな…?



















< 143 / 172 >

この作品をシェア

pagetop