チョコよりも甘く
今まで伸ばしていた長い髪…。

もうこの髪とはさよなら。


赤ちゃんが生まれたら何かと邪魔になるだろうし。


そう思うと切ることも苦じゃなかった。






髪を切り終わり、鏡をみると、自分でも驚く程変わっていた。

ロングだったあたしとしてはすこし憧れだったショート。


ピンクベースの明るめの茶色にした。


これからの春に向けて、ちょうど良いと思った。



無事、髪を染め終わり、会計をすると、翔はメンズ雑誌を読んで待っていた。



「か―け―るっ!」

あたしは肩をポンと叩き、驚かせた。


「わっ、……え!葵!!?」



翔のリアクションに満足したあたしは、にこっと笑って外に出た。


翔もその後を追うようにして出てくる。




そして再び手を繋ぎ、残りの道を二人で歩いた。
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