チョコよりも甘く
「「玲汰……」」



あたしと龍斗は同時に呟く。





玲汰はその場に立ち尽くし、無表情であたしたちを見つめる。


いや、正確にいえば

幸せそうにしているこのあたしをただずっと見ている。






あたしのどうにもならない感情が胸の中で動く。



玲汰はやっと口を開くが、その顔も無表情だった…。







あたしは罪悪感でいっぱいになった。



玲汰を選ばず、龍斗を選んでしまったこと。
苦しい時だけ彼に頼ってしまったこと。





溢れてくる想いを心に留め、そっと玲汰に歩み寄った。
そんなあたしを、彼はじっと見てくる。






「仲直り、したんだな…」


玲汰は無理に笑っているのだろう。
口元がおぼつかない様子だ。








「…ごめんなさい。本当にあたし、最低だ…」

「いいよ、いいよ。…ま、俺にも脈ありって感じ!?」




玲汰はそう言うと、あたしの頭をポンと撫でた。
その優しさにあたしは胸を痛めた。

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