チョコよりも甘く
「紗姫、口開いてるよ」

「えっ、あ、うん…」






紗姫は龍斗の後ろにテコテコとついて行き、迷子にならないようにした。






「龍斗、帰ってたの?」


綺麗で若い女の人が話しかけてきた。



初めて会ったけど、すぐに龍斗のお母さんだとわかった。





「ああ。今日、紗姫ん家に泊まってくるから」



「そう…。あなたが紗姫さん?」




龍斗のお母さんは確かめるように、あたしの頭の天辺から爪先まで見た。


「はい!」


紗姫は元気よく挨拶した。


「母さん、もういいだろ!…紗姫、行くぞ。」


龍斗は、紗姫とお母さんを遠ざけるように言った。




「う、うん」

紗姫は先に歩っていく龍斗を追いかけた。



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