チョコよりも甘く
湯煎用のボウルを出しお湯を注いでると、葵が戻ってきた。


葵の表情は暗く、何か考えてるようだった。




「どうしたの?」



紗姫がたずねると、笑いながら答えてきた。





「なんかぁ、生理が遅れてるんだよね、、」








その表情は無理に笑い、何かを隠してるようだった。








「どのくらい?」


「えーっと…3週間ぐらいかな」



葵はカレンダーを見ながら言った。




「今度検査した方がいいよ…っ」

「うん、してみる……。そろそろ作ろっか!」






その時のあたしには、そのくらいのことしか言えなかった。
葵はあたしをたくさん励ましてくれたのに…



        …あたしは何も出来なかった。










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