チョコよりも甘く
この前買ってきた材料の量を確認し、下ごしらえの準備に入る。
「エプロンもってきた??」
葵は自分のエプロンをしながらきいてきた。
「もちろんっ!!」
紗姫はいつも以上に張り切っていた。
あたしはガト―ショコラを作ろうと思っていた。
でも、ガト―ショコラは定番すぎるし、龍斗は食べ慣れてそうだから、出来ればもっと手作りらしくかわいらしいものが作りたかった。
葵はトリュフを作るつもりでいた。
「あたしさぁ、急遽つくるもの変更しちゃおっかな~!!」
材料をせっかく買ってきたのに今更変えるとなると、「えー!?」と言われそうなので少し冗談っぽくいってみた。
「まじ?じゃぁ、ガト―ショコラの材料貰ってもいー?あたしもガト―ショコラにすればよかったって後悔してたの!!」
思ってもみなかった葵の返事に、紗姫の顔は自然と緩んだ。
「いいよー。なんだそうだったんだ。あたしはもっと手作りっぽいのが作りたくてさっ!!」
あたしたちは順調につくりあげていった。
紗姫は龍斗用に、ハート型のチョコクッキーに、チョコマーマレードを作っていた。
義理チョコ用は、葵が買ったトリフで済ました。