チョコよりも甘く
「―――――いやっ…!」



紗姫は大和さんの腕を振り払い、反対側を向いた。
窓に映った大和さんは悲しげな表情をしていた。


「…ごめん。……紗姫ちゃんが昔の彼女にすごく似てて、それでつい……」





何も言わなかった。





その時はただ、ただ、涙が出て…

罪悪感でいっぱいだった。











まさかこれを誰かに見られるとは思ってもいなかったし、
無防備だった自分も悪かったんだというにも関わらず、大好きな人のもとへ帰るあたしは

 

       ――――――本当に最低な女だった。







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