チョコよりも甘く
「何で受け取ったの?」って聞きたかった。

でも喧嘩になるのが怖くて言えなかった。



ちょっとの勇気を出せないまま、あたしたちは学校へ着いた。






昇降口へ入ると、たくさんの女の子たちがこっちを見てきた。
なかには東棟の子や、先輩もいた。
その子たちもまた紙袋を抱えていた。






しょうがない。
そう思うと余計に不安になってくる…。







「南城くん…、彼女いるのは知ってます。これ、良かったら受け取ってください!!」



B組の女の子が渡してきた。



そして龍斗は笑顔で受け取った。

「ありがとう。」








それを見た他の女の子達が寄ってきた。






あっという間に龍斗は囲まれ、あたしの居場所はなくなり、
悔しくて、悲しくて…



紗姫はその場から逃げ出した。
















< 89 / 172 >

この作品をシェア

pagetop