チョコよりも甘く
「何ボーっとしてんの!?」

葵は紗姫の頬を突付いた。

「あ、ごめん。」
と、我に返ったように言った

「また妄想でもしてたの?」


葵はニヤニヤしながら聞いてきた。


「違うってば!!」

紗姫は赤面し、都昆布をカートに入れ、葵に続いてレジに並んだ。




「2045円でございます。」

葵は財布から、何のためらいもなくお金を出した。



「次のお客様ー」


店員に呼ばれ、隣のレジにいった。


ピッ、ピッ…
千の位の数が変わるたびにハラハラする。


「5640円でございます。」
店員は満面の笑みで言った。


案の定、5000円を越した。

自分用だけでも3000円分はあった。

甘党のあたしは食べるの専門だから、いつもお菓子を買ってしまう…





「うわ、、財布がお腹空かしてるよ、(泣」


お店を出る時には財布の中身がスカスカになっていた。



「てか、チョコそんなにいっぱい買って誰にあげんの?」

「パパと佑(弟)と玲汰と啓…」



〝篠原啓〟はあたしの幼馴染で、なんでも話せる親友に近い存在。
玲汰は…



「玲汰って、あの〝中島玲汰〟?」

ビックリしたような顔をした。

「そうだけど…?」






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