チョコよりも甘く

…あたしは先に教室へ向かい、
葵は、先生とお母さんと一緒に病院へ行った。

あたしは結局葵の話を聞いてあげられなかった―――。

ごめんね、葵。…






「紗姫っ!」

紗姫は腕をつかまれた。
振り返ると、龍斗がいた。


話したくない。
これが本音だった。


紗姫は腕を振り払った。



「…何、??」


笑おうとしたけど笑えない…


龍斗は悲しそうな顔をした。




「何でいなくなったんだよ…」

そう言うと、紗姫を抱きしめた。




葵が今苦しんでるのに

あたしは、何もできない…


あたしには龍斗と笑う資格がないんだよ。



「ごめん、」

紗姫は龍斗から離れ、走っていった。



龍斗…

ごめんね、



あたし、

どうすればいいかわかんないよ、、











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