チョコよりも甘く
「紗姫ー!!…待てよっ」

廊下に龍斗の声が響いた。


紗姫の頬に涙が伝った。



あたしは、大好きな人を傷付けた。


今日はバレンタイン…

葵と作ったチョコ、どうやって渡そう。

無駄になっちゃうかもしれない。

そしたら葵と一緒に食べようね、





「くそっ。」

龍斗はその場で佇んだ。



紗姫…

どうしたんだよ、

俺達、もう終わりか?

お前が別れたいと言っても、俺は絶対別れない

何があっても

俺はお前を離さない…





HR開始のチャイムが鳴った―――


そして2人の気持ちは、擦れ違った。


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