【短編】俺様恋愛溺
「なぁ、ほんとになにもない??」

あたしの腰に手を回して、じっとあたしの顔を見つめる。

「なにもないよ」

「ちゃんと顔みて」

そんなこと言われても、そんな真剣な顔で見つめられると。


「離して」

「ヤダ」

「離してっ」

「ヤダ」

「離してよもう!」

あたしは無理矢理、佐渉の腕から出た。

「なにもないからっ!それに、別にあんたに心配される筋合いないし!!」

「そんなことない。俺は、お前が好きだ」

あたしが壁にもたれかかった状態で、佐渉が壁に手をつく。

こんな光景、漫画でしか見たことないよぉ……
< 39 / 44 >

この作品をシェア

pagetop