嘘の誓いとLOVE RING
「庶民的な店だけどいいか?」
ごく一般的な創作居酒屋で、圭祐は申し訳なさそう言った。
その姿に思わず吹き出す。
「私からしてみれば、普通のお店だから。むしろ、落ち着くよ」
すると、圭祐はホッとした表情を見せた。
「良かった。せっかく誘ったのに、美亜がつまらないんじゃ、意味ないもんな」
小さく微笑む圭祐に、私も微笑み返す。
「圭祐って、本当は優しかったんだね。私、知らなかった」
素直に出た言葉に、圭祐は少し顔を赤くした。
「俺は元々優しいんだよ。それより、気を取り直して飲もうぜ」
「うん!飲もう!」
こうなったらヤケ酒だ。
凌祐は今頃、佐倉さんと楽しく飲んでいるに違いない。
だったら、こちらも楽しむまでだ。
「ねえ、圭祐。いくらお父さんたちが仲がいいからって、無理矢理結婚をさせるから、こうなるのよね?」
サワーやカクテルを飲みながら、目の前に座る圭祐に愚痴をこぼす。
「そうだよなぁ。俺としては、そこでちゃんと本人の気持ちを言わせなかったのも原因だと思うけど」
圭祐は、枝豆や唐揚げをつまみながら、淡々と言った。
「本人の気持ち?私なら、嫌だって言ったわよ?」