嘘の誓いとLOVE RING


心の中でニヤリと笑う。

「何で、そんなに焦ってるのぉ?分かった!嫌らしい事を考えてるんでしょ?」

からかって言ったつもりが、圭祐は固まった。

まさか、図星なのか!?

さすがに、こちらも驚いたけれど、すぐに気を取り直す。

なかなか優位に立てれる状況もないのだから、とことんからかってやろう。

酔った勢いもあって、調子に乗りはじめた私は、圭祐の隣へ移動した。

「ねえ、圭祐。いいでしょ?今夜、一晩だけ泊めてよ?」

すると、

「いい加減にしろ、美亜」

と声がした。

「ん…?今、圭祐喋った?」

私が見る限りでは、口は開いていなかった様だけれど。

空耳か?

すると、苦笑いを浮かべた圭祐が、あごを少し上げた。

それは、後ろを見てみろと言っている様だった。

「何?」

ゆっくりと振り向くと、いつの間に来ていたのか、凌祐が眉間にシワを寄せて立っていたのだ。

「凌祐!?どうして、ここが分かったの?」

一気に酔いが冷めた私は、代わりに冷や汗が流れたのだった。

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