嘘の誓いとLOVE RING
「大丈夫です…。ちょっと緊張してるのかも」
誤魔化す様に、熱いお茶を口にする。
実はこのところ、睡眠不足で絶不調だ。
凌祐とうまくいかないだけで、自分がここまでダメージを受けるとは思っていなく、ちょっと戸惑っている。
「そうですか…。それなら、いいんですけど。遠慮なくおっしゃってくださいね」
「ありがとうございます…」
佐倉さんが、こんな時、嫌みの一つでも言ってくれれば、反論して心がスカッとするのに、こんな風にいい人ぶられては、凌祐との仲を問い詰める事も出来ない。
確か、今夜は二人、約束があるはず。
それを尾行してやろうと思っていたけれど、そんな気力はなくなっていた。
佐倉さんと会話をする気力もなく、仕事をこなすだけで精一杯。
だから出来るだけ、目を合わせない様にしていたけれど、それでも時々視線がぶつかる。
その時、何か言いたそうだった佐倉さんに、私は思い切り目をそらした。
その口から、凌祐の話など聞かされたのでは、たまらないからだ。
頭がボーッとしながらも、何とか一日終えた私は、夜にはすっかり疲れきっていた。