嘘の誓いとLOVE RING


新居といっても、どうって事のない、凌祐がずっと住んでいたマンションへ私が入るというだけだ。

要するに、旦那様が一人暮らしをしていた家へ入り込むというパターン。

それだけなら、全然珍しい事ではないけれど、私の結婚相手は大企業の社長。

住んでいるマンションのケタが違う。

凌祐の住んでいる場所は、中心街に位置する高級マンションで、分譲されているものだから、完全に凌祐の持ち家だ。

オフィス街へも、ショッピング街へも、徒歩10分圏内という利便性の高い場所へ建っている。

30階建ての最上階に部屋があり、贅沢にもそこだけ一部屋しかないのだ。

つまり、凌祐の部屋しかない。

セキュリティも万全で、玄関ホールには管理会社の関係者が常駐している。

まるで、ホテルの受付の様な感じで、不在時の宅配便の受取などをしているのだった。

マンション全体はシックな雰囲気で、凌祐の部屋からは街全体が一望出来る。

「周りに高層ビルが建っていないから、夜は夜景が綺麗だよ」

と言われているのだった。

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