嘘の誓いとLOVE RING
どれくらい眠ったのか、携帯で確認しようと手を伸ばした時、圭祐が腕を組み、椅子の背もたれに身を預け眠っている姿が目に入った。
「圭祐…」
もしかして、ずっと付き添ってくれていたのか。
ベッドから降り、圭祐の側にしゃがむと、その手を握った。
時間はあれから2時間半が経っている。
「圭祐」
そっと呼びかけると、ゆっくり目が開いた。
「あ…、俺。寝てたんだ?」
どうやら、まだボーッとしているのか、状況把握をしている様だ。
「うん。ずっと、付き添ってくれてたのね。ありがとう」
すると、圭祐は苦笑いを浮かべた。
「寝てたけどな。それにしても、誰も電話すらかけてこないなんてな」
携帯を確認しながら、圭祐は顔をしかめている。
そういえば、二人して夜の会食を途中抜けしたというのに、誰も連絡すらかけてこないとは薄情なものだ。
私の方にも、凌祐はおろか、佐倉さんからの連絡もない。
「そんな、落ち込んだ顔をするなよ美亜。たぶん、誰かがうまく言ってくれてるから、心配されていないんだよ」