嘘の誓いとLOVE RING
その後は、ほとんど無意識の行動だった。
心配する圭祐に、かろうじて笑顔を向けると、そのまま部屋へ戻った。
何も思えない。
感じない。
まるで、心が死んだ様に、ただ窓から見える夜空を見上げるだけだった。
ホテルからの明かりはあるけれど、ほんの少しだけなら星は見える。
だけど、もっと広く綺麗に見える場所があるのだ。
凌祐たちが行った場所が…。
「私も見たかったな…。凌祐と…」
涙は止まる事を知らないかの様に、拭っても拭っても溢れてくる。
隣の部屋で、今頃二人は甘い時間を過ごしているのか。
それを考えると、息も出来ないほどに苦しい。
「凌祐…。ひどいよ。こんな事をするくらいなら、私の心を奪わないで欲しかった。冷たく接してくれていたら、良かったのに…」
窓の下へ倒れ込む様に、嗚咽を漏らして泣き続けたのだった。
どれくらい泣き続けたのか、次に我に返ったのはドアがノックされたからだった。
そしてその時間は、凌祐たちを目撃してから、2時間が経とうとしていた。