嘘の誓いとLOVE RING


その後の圭祐は、普段と変わらず仕事をしている。

むしろ、何かが吹っ切れた様だ。

あんなに、出張の夜は親身になってくれ、佐倉さんの部屋に入った凌祐に、食いつきそうな勢いだったのに…。

やっぱり、凌祐という後ろ盾のいない私は、何の価値もないということなのか。

佐倉さんが言っていた凌祐の本当に好きな人。

それを聞いたからといって、どうする事も出来ないけれど、やはり知るくらいはするべきなのか。

それでないと、何もかもが納得いかない。

意に沿わない結婚も、離婚も、そして仕事まで振り回されたのだから、自分が憐れに感じてくる。

どうせ、離婚すれば二度と聞けない話だ。

聞くだけ聞こう。

そして私は、きっと永遠に許せないと思う。

凌祐も、その人も。

きっと、絶対に。

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