嘘の誓いとLOVE RING
「幸せなのかな?」
「だから、本人に聞けばいいじゃない」
イライラもマックスになってくる。
正直、凌祐の好きな人が幸せかどうかなんて、どうでもいい。
もう、話をするのはやめよう。
と思った時、またもや聞かれたのだった。
「幸せを、感じた事があるのかな?」
もう限界だ。
イライラをぶつける様に、強い口調で返していた。
「もう!そこまで気になるなら、本人に聞けばいいじゃない!」
「だから、聞いてるんだよ」
穏やかな口調の凌祐は、険しい顔の私に笑顔を向ける。
「だから、今本人に聞いてるんじゃないか。少しでも、幸せに思った事はあったかって」
「え…?ちょっと、待ってよ。どういう事?」
混乱した私に、凌祐は声を殺して笑った。
「ごめん、ごめん。回りくどい言い方だよな。俺が今話していた好きな人っていうのは、美亜の事なんだよ」
「私の事…?」
もはや、呆然とするしかない。
これは、一体どういう事か。
すると、凌祐は私の手を優しく握ったのだった。
「美亜、ずっと好きだったんだ。強引な結婚だったとはいえ、俺は心底嬉しかった。卑怯な形だけど、美亜を自分のものに出来たんだもんな」