嘘の誓いとLOVE RING
後悔しかないなんて、今さら言われても困るだけだ。
「あの時は、詳しく教えてくれなかったけど、会社を興す為だったの?」
「ああ。ただ、成功する保証もないから、美亜には言えなかった。それに、巻き込みたくもなかったし」
「そう…。でも今は、何だか有名な社長さんみたいね?」
圭祐が、キーパーソンの様に言ったくらいだ。
きっと、相当な力があるに違いない。
それなら、私と別れた事は間違っていなかったというわけか。
「だったら良かったじゃない。私がいない方が、敦貴にとってはプラスだったのよ」
すると、敦貴は寂しそうな笑顔を浮かべた。
「素っ気ないんだな。美亜に会えて嬉しいと思ってるのは、俺だけって事か」
「当たり前じゃない。私は結婚してるんだから。敦貴に未練なんて、あるわけがない」
これ以上、ここにいる意味もない。
そう思い、ドアを開けようと手を伸ばした途端、敦貴にそれを阻まれてしまった。
「政略結婚なんだろ?本当にそんな結婚で幸せなのか?」