嘘の誓いとLOVE RING


解決したとはいえ、正直思い出したくない話ではある。

「解決?まさか、二人の仲を許すって事か?浮気されっぱなしでいいのかよ」

「だから、浮気なんてしてないの!凌祐は、キッパリと私を好きだと言ってくれた。彼女もちゃんと、話してくれたもの」

二年前、突然別れを告げたかと思うと、今度は突然再会してこんな事を言うなんて、敦貴の方こそヒドイ事を言っている。

「全然、気付いてないんだな。浅井社長は、美亜が思うほど信用出来る人じゃない。たぶん、秘書と続いてるよ」

「何を根拠に言うの?それに、私は凌祐とは幼なじみでもあるの。凌祐の人柄くらい、ちゃんと分かる」

これは、敦貴の挑発だ。

私が、完全に拒絶をしているから、わざと言っているに違いない。

そう思うのに、心は動揺していた。

「俺の仕事の一つ、ネット配信はニュースネタもあるんだ。ただし、週刊誌的な内容も含まれる」

「どういう意味?」

「下世話な話って事だよ。例えば、浅井社長の様なVIPのスキャンダルとかな」

ニヤッと笑う敦貴に、ただ軽蔑の眼差しを向ける事しか出来なかった。

< 175 / 220 >

この作品をシェア

pagetop