嘘の誓いとLOVE RING


「いくら社長とはいっても、そんな人のプライバシーを覗くとか最低ね。敦貴は変わった。変わってないのは見た目だけ」

吐き捨てる様にそう言って、今度こそドアを開けようとした時、敦貴が後ろから抱きしめてきた。

「やだ!離してよ!」

「美亜が冷たい事言うからだろ?プライバシーを覗いてるわけじゃない。真実を伝えるのも、仕事の一つなんだよ。それに美亜が結婚した相手なんだ。みすみす見逃すわけにはいかないんだろ?」

敦貴の手が、胸へと伸びて必死に払う。

だけど力の差で負けてしまい、その手は完全に胸を覆っていた。

声を出そうにも先回りして、手で口は塞がれている。

「安心しろ。これ以上は何もしないよ」

何もしないだなんて、手は胸を揉んでいる。

それだけで、十分“何かをしている”ではないか。

「この感覚、美亜だって懐かしいと思うだろ?そういえば、浅井社長と幼なじみって言ってたけど、仲良かったっけ?付き合ってる頃、全然話に出てこなかったけどな」

それは…。

確かに仲なんて良くなかったけど、だけど今はちゃんと人柄は分かる。

せめて、反論くらいしたいけど、口を塞がれていて言葉が出なかった。

その間も敦貴の手は、私の胸を揉んでいるのだった。

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