嘘の誓いとLOVE RING
いつ、この手を離してくれるのか。
後ろから抱きしめる敦貴は、首筋にキスをしてきた。
「や、やめて…」
敦貴の手で塞がれ、言葉はこもるけれど、何とか必死に抵抗する。
「美亜が好きなスタイルじゃないか。後ろから攻められるのが」
耳元で囁く様な声に、大きく首を横に振る。
そんなのは、昔の話だ。
だけど、敦貴はお構い無しに、さらに耳元で囁いた。
「浅井社長の本性、俺が暴いてやるよ。だから、美亜もあの社長を信じるのはやめろ」
何を言うのか。
敦貴に言われる筋合いなどない。
腹立たしさと苛立ちでいっぱいになった時、私の携帯の着信音が鳴った。
すると敦貴はようやく、私を離したのだった。
「邪魔が入るな」
ため息を漏らす敦貴を、思い切り睨んでやった。
邪魔を言うなら、敦貴の方が邪魔だ。
「もしもし」
てっきり圭祐からだと思い込んで出ると…。
「美亜?お前、今どこ?」
「凌祐!?何で?」
凌祐からの電話に動揺する私を、敦貴は面白そうに笑みを浮かべて見ていた。