嘘の誓いとLOVE RING
「隠し事?」
「そうだよ。社長がいちゃ、話が出来ないだろ?だから、今来たんだよ」
隠し事とは一体何か。
全く気にならないわけではないけれど、もしかすると敦貴の出まかせかもしれない。
半信半疑で聞いていると、敦貴は鼻で笑ったのだった。
「疑ってるな?言っておくけど、俺はネット配信のニュースも作るんだよ。情報網は、美亜の想像を越えていると思う」
確かに、人脈は広いみたいだ。
夫人方にも、気に入られているみたいだし…。
「じゃあ、一応聞くけど、凌祐の隠し事って何?」
あくまでも、聞くだけだ。
険しい顔を向けたままでいると、敦貴は小さくため息をついた。
「隠し子ってやつかな?」
「隠し子?」
「そうだよ。近々、秘書の佐倉さんが退職をする」
佐倉さんが退職!?
あんなに、凌祐からの信頼も厚かったのに、本当に退職をするのか?
驚きで、話に食いついてしまった。
「本当なの?何で?」
「妊娠だよ」
「妊娠!?」
まさか、そんな事実があるのだろうか?
到底信じられない話だ。
「疑うなら、社長に聞いてみるといい。ただ、理由は聞かない方がいいんじゃないかな?」
「何で?」
「だって、佐倉さんの子供は、浅井社長の子だからだ。あいつ、美亜にずっと隠し続けるつもりみたいだぞ?」