嘘の誓いとLOVE RING
6畳ほどの応接室は、緑色の壁に、白いテーブルと4脚の椅子が置かれたシンプルなものだった。
そこへ私たちを促すと、凌祐の向かいに敦貴は座った。
「わざわざご夫婦で来られるとは、今日はどんな急用で?」
わざとらしくニヤリと笑う敦貴に、何か言ってやりたいくらいだ。
分かっているくせに。
だけど、間髪入れずに凌祐が口を開いたのだった。
「今朝のニュースで、気になる話題を目にしたので。確か、タブレット類の処理速度の向上…」
と話し途中で、敦貴は口を挟んだ。
「ええ。目玉のニュースでしょ?これは画期的な話題なんです」
しらばっくれて、ますます腹立たしい。
「へえ。実は私も同じ様な話題を、妻に話していたところで」
「そうなんですか?それは偶然ですね」
余裕たっぷりの笑みを浮かべて、敦貴は見下す様に凌祐を見ている。
「企業秘密だったんですが…。もしかして妻がうっかり、あなたに話したのではないかと思いまして、それで確認に来たんです」
ゆっくりと冷静に話す凌祐に、敦貴はオーバーリアクションとも取れるくらい、大袈裟に驚いてみせた。
「まさか!私は奥様と、そんな突っ込んだ話が出来る間柄ではありませんよ」