嘘の誓いとLOVE RING


私の左手を手に取ると、凌祐は優しく言ってくれた。

「俺達は、恋愛をして一緒になったんじゃない。だから、これからが本当に、二人の時間が始まると思っているんだ」

「うん…」

そうだったね。

私たちは、嘘の誓いから始まった夫婦だ。

恋愛をして、好き合って一緒になったわけじゃない。

「凌祐の言う通り。私もようやく、スタートラインに立てた気がする。凌祐との未来のスタートラインに」

ぎこちなくも笑顔を返すと、凌祐は軽く唇を重ねた。

「愛しているよ美亜。これから俺と、恋をしてください」

「はい…」

涙が止まらない。

もちろん、幸せの涙が。

これから始まる私たちの本当の恋。

そして、未来の始まり。

「帰ろう、美亜」

「うん。帰ろう」

繋いだ手からは、幸せが溢れ出す。

これから、一緒に歩いて行こう。

決して手を離さない様に、惑わされない様に。

お互いを信じ合いながら。
私は誓う。

凌祐への真実の愛を。

永遠に誓うから。

もう、二度と迷わない。

私たちの未来は、今始まったばかり…。

幸せへの未来へ、二人で歩こう。

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