嘘の誓いとLOVE RING
「用事はそれだけ?それなら電話を切るわね」
素直になれない私は、そんな憎まれ口を叩く。
すると、お父さんは引き止めて、「本題はこれからだ」と言ったのだった。
「美亜の魂胆はだいたい分かる。凌祐くんが愛想尽かす様に、しむけようとしたんだろ?」
さすがお父さん。
分かっている。
だけど、分かるくらいなら、最初から結婚を仕向けなければいい。
お父さんにだって、責められる部分があるのに、さっきからずっと私が責められるのには不満だ。
「だからお前を、凌祐くんの会社で働く様に手続きをしたからな。しっかりと働けよ?」
「ええっ!?何よそれは。そんな事、出来るわけないじゃない!」
そんな都合良く、物事がいくはずがない。
混乱する私を嘲笑うかの様に、父さんは高笑いをしたのだった。
「凌祐くんの側にいた方がいい」
そう言って。