嘘の誓いとLOVE RING
「えっ!?何で?」
どうして分かるのか不思議だけれど、隠す事ではない。
圭祐に送ってもらう事は悪い事ではないのに、凌祐の険しい顔に怯んだ私は、完全に動揺し返事をし損ねた。
それが凌祐のカンに触ったらしく、ますます険しい顔をされたのだった。
「何で、隠そうとするんだよ?」
「べ、別に隠そうとしてたわけじゃなくて…」
迫力に押されて言えなかっただけなのに。
そんな戸惑う私に、凌祐は挑発をする様に言ったのだった。
「圭祐の車は、特別取り寄せてる香りを乗せてるんだ。だから、すぐに分かるんだよ」
「え?あ、ああ。そうなの?」
だから、分かったのか。
確かに、珍しい香りのする車だとは思った。
それにしても、凌祐はどうしてここまで怒っているのだろう。
戸惑いと共に、呆気にも取られてしまう。
「じゃ、じゃあ、私はお風呂に入ってくるね」
逃げる様にバスルームへ走った。
凌祐が、よく分からない。
圭祐の車に乗ってはいけなかった?
そんなところを気にされるとは思っていなくて、調子が狂ってしまう。