嘘の誓いとLOVE RING
「ただいま」
ちょうど晩御飯を作り終えたところで、凌祐が帰ってきた。
「お帰りなさい!」
「ただいま…。なんか、ビックリだな。美亜が嬉しそうに出迎えてくれると」
凌祐は靴を脱ぎながら、小さく笑った。
「私、そんなに可愛いげがないかな?そういう、つもりじゃないんだけど」
口を尖らせた私に、凌祐は声に出して笑った。
「ごめん、ごめん。俺も、そういうつもりで言ったんじゃないよ。かなり嬉しかっただけ」
私の頭を軽く叩いて、凌祐は部屋へ入るとスーツを脱ぎ始めた。
その姿をドアから見ていると、なぜだか胸が熱くなってくる。
会議の様子が頭に浮かんできて、今の凌祐と重なっていった。
ジャケットを脱ぎ、ネクタイを外す凌祐は、戦闘服を脱ぐようなものなのか。
そんな想像をしていると、無意識に駆けていき、そして凌祐の背中に顔を当て、腕を回して抱きしめていた。
「美亜?」
驚いた凌祐は、着替えの手を止め、顔だけ振り向かせる。
「凌祐の癒しなら、私一人で十分だと思う…」