嘘の誓いとLOVE RING
怪しい…。
とはいえ、なかなかその証拠が掴めない。
ところどころ怪しいとは思うけれど、それも考え過ぎと言われれば反論出来ないレベルだ。
「う~ん。何か分からないかな」
出張までまだ日があるし、だいたいどうやって、出張先でチェックしろというのだ。
まさか、二人を尾行するわけにもいかないし。
煮詰まるばかりの気持ちにイライラする。
「おい、美亜。ちゃんと仕事をしろよ」
資料作成を頼みに入ってきた圭祐は、眉間にシワを寄せていた。
「してるって」
「そんなにボーッとしてか?仕事中は恋愛脳をストップしろよ」
「うん…。ごめん」
確かにそうだ。
仕事中なのに、私の頭の中は凌祐と佐倉さんの事ばかり。
こんなに、自分が恋愛脳だとは思わなかった…。
ん?
恋愛脳!?
「私、別に恋愛なんてしてないわよ!」
思わず立ち上がった私に、圭祐は呆れた顔を向ける。
「いい加減、認めろよ。美亜は兄貴を好きになってるんだ。ハタから見ててよく分かるよ」