嘘の誓いとLOVE RING
「圭祐、本当にごめんなさい」
デスクへ戻り、真っ先に圭祐へ謝った。
すると、圭祐はぎこちない顔を向けると言ったのだった。
「いや。俺も無神経な事を言い過ぎたから。それより美亜、様子が変だけど、何かあったのか?」
「えっ?ううん。何もないよ。それより圭祐…」
と言いかけたその時、電話が鳴った。
「はい、副社長室です」
反射的に電話を取ってしまったけれど、圭祐のデスクへかかってきた電話は、圭祐が不在時以外は出る必要がなかった。
軽く睨まれてしまい、目で謝る。
すると、電話の主は凌祐だった。
「あ、美亜?もしかして、圭祐は不在か?」
佐倉さんの話を聞いて、初めて聞く凌祐の声。
それは、胸が締め付けられるほど、切なく感じたのだった。
「ううん。いるわよ。間違えて取っただけ。代わるね」
淡々としか話せない。
自分でも、無愛想だとは思うけれど、とてもまともには会話が出来そうになかった。
そんな私を、圭祐はじっと見つめて受話器を受け取った。