嘘の誓いとLOVE RING
吐き捨てる様にそう言った凌祐に、泣きそうなくらいのショックを受ける。
やっぱり、秘書の仕事は反対だったのだ。
佐倉さんが側にいる場所へ、私が入り込む事自体が迷惑に違いない。
佐倉さんが凌祐を好きなのは間違いないけれど、凌祐もきっと佐倉さんが好きだ。
「そう…。私は邪魔って事なのね」
「美亜?何を言ってるんだ?」
今度は凌祐が戸惑いを見せ始めた。
「私が邪魔なら邪魔って、ハッキリ言えばいいじゃない!」
感情的になった私に、凌祐はソファーから立ち上がると、側へやって来た。
「どうしたんだよ美亜。何を言ってるんだ?」
凌祐は、私の手を優しく取る。
これでは、私の方がケンカを売っているみたいだ。
それは不本意だけれど、佐倉さんとの関係は聞けない。
なぜなら、誤魔化されるのも、認められるのも嫌だから。
「美亜、何か嫌な事でもあったのか?」
顔を覗き込む様に、凌祐は私を見る。
だけど、その質問には答えられないでいると、凌祐から優しく唇を重ねてきたのだった。