嘘の誓いとLOVE RING
体が痛いくらいに抱き合った後、ベッドの中で凌祐は包み込む様に抱きしめてくれた。
きっと今日は、仕事で何かあったに違いない。
そのフラストレーションを、こうやって私にぶつけたのだ。
本当は、話してくれると嬉しかったけれど、こんなぶつけられ方でも構わない。
その相手が私であるならば、佐倉さんでないなら、それでいい。
ようやく呼吸が落ち着いてきた頃、凌祐が呟く様に言ったのだった。
「なあ、美亜。久しぶりに、両親に会ってくれないか?」
「おじ様とおば様に?」
そう聞き返すと、凌祐はムッとした様に唇を尖らせた。
「その言い方はおかしいだろ?親の親は、美亜にとってももう親なんだから」
もっともな指摘をされてしまい、苦笑いと共に謝る。
「ごめんね。つい癖で。お義父様とお義母様に会うって事ね?」
「そうだよ。結婚をしてから、なかなか会えてないだろ?美亜に会いたがってるんだ」
言われてみれば、慌ただしい結婚だったせいで、ご両親にはゆっくりと会えていない。
「そうね。私も、久しぶりにお会いしたいから」
そう答えると、凌祐は笑顔を浮かべたのだった。