嘘の誓いとLOVE RING


………
……

晴れ渡った日曜日の午後、久しぶりに凌祐の実家へと向かったのだった。

そこは、私の実家の隣の家なのだから、それほどの緊張感はないはず。

そもそも、今まで何度も出入りしている場所だからだ。

だけど、今は緊張感いっぱいで玄関までの道を歩いていた。

それは、きっと“妻”の立場からくる緊張感からかもしれない。

凌祐の実家は、私の実家より倍は大きい家で、モダンでベージュの外観が落ち着きさを感じさせている。

そして、玄関までの道にはプランターが置かれ、彩り豊かな季節の花が咲き乱れていた。

ドアまで来て、凌祐がチャイムを鳴らすとすぐに、笑顔のお義母様が出迎えてくれた。

「いらっしゃっい、美亜ちゃん。主人も圭祐も待ってるのよ」

相変わらず、綺麗な人だ。

すでに60歳になっているお義母様には、年齢を感じさせないみずみずしさがある。

ボブの髪は軽く巻いてあり、品の良さを醸し出していた。

「圭祐も来てるんですか!?」

てっきり、お義父様たちだけだと思っていたのに、圭祐もいる事に驚いてしまった。

今や、圭祐も一人暮らしをしているから、ここへいるイメージがつかなったのだ。

< 90 / 220 >

この作品をシェア

pagetop