嘘の誓いとLOVE RING
すると、お義母様が眉を下げて苦笑いをした。
「そうなのよ。今日の話をしたら、来たいって言ってね。私はやめなさいって言ったの。それでなくても、美亜ちゃんは毎日、圭祐と顔を合わせてるのにね」
話しながら中へ入る様に促され、リビングへと向かう。
圭祐のお陰で、緊張が吹き飛んでしまった。
「今日はね、美亜ちゃんのご両親もお招きしたの。でも、水入らずでどうぞって気を遣われて、来られなかったのよ」
「そうですか」
これは、心の中で笑うしかなかった。
きっとお父さんもお母さんも、私に顔を合わせ辛いに違いない。
強引な結婚で、二人に相当な恨み言を言ったからだ。
窓の大きい開放感いっぱいのリビングでは、皮張りのベージュのソファーで、お義父様と圭祐が待っていたのだった。
笑顔で優しく迎えてくれたお義父様と違い、圭祐は含み笑いを向けている。
あれは何か、良からぬ事を考えているのではないか。
そう思ったら、圭祐に視線を送らずにはいられなかった。