嘘の誓いとLOVE RING
その言葉に、心臓が跳ね上がりそうだった。
うまく、やれていないわけではない。
二人きりになれば、それなりに仲良くはしている。
ただ、そこに心が伴っていないだけで…。
とはいえ、そんな事は言えるはずもなく、口角を上げて微笑み、答えたのだった。
「もちろんです…。今までも、顔見知りでしたから」
すると、お義母様はいたって真面目な顔をした。
「本当に?嘘をついていない?」
その言葉に、心臓が飛び出そうだ。
どうして、お義母様はそんな事を言うのだろう。
まさか、私の心を見抜いているのか?
「そ、そんな事はないです」
動揺を隠しながら答えると、お義母様は笑顔を取り戻した。
「それならいいの。ずっと心配だったのよ。こんな、美亜ちゃんの意に反する結婚をさせて、うまくやれるのかって」
なんだかんだ言っても、お義母様も凌祐の母親だ。
息子を心配する気持ちがあるのだろう。
そう考えると、罪悪感さえ感じるけれど、佐倉さんと関係を持つ凌祐が悪い。
そんな風に言い聞かせて、自分を納得させていた。