嘘の誓いとLOVE RING
圭祐は、有り得ないとでも言いたそうな顔をしているけれど、それは分からない。
「そもそも、凌祐に仕事の電話をかけてきた人って、佐倉さんじゃないの?」
「そうかもな」
『だから何だ』と言う心の声が聞こえてくる。
「という事は、休みの日でも二人は連絡を取り合っているのよ?そもそも、本当に仕事の話なのかも怪しいわ」
考え込む様に腕を組んだ私に、圭祐はため息をつく。
「けしかけた俺にも責任があるな…」
と言った時だった。
少し開いていた窓から、ガが入ってきたのだった。
「いやあ~!」
大の虫嫌いな私は、パニックで思わず圭祐に抱き着いた。
「お願い!追い払って!」
「追い払えって言われても、お前がここにいたら何も出来ないだろ?」
困った様に私を離そうとする圭祐に、しつこいくらい抱き着いた。
「いや、だから。美亜が邪魔で」
「だって、怖いんだもん」
と、胸に顔を埋めている間に、何とか圭祐はガを追い払い窓を閉めてくれた。
「ったく、まさか美亜がここまで虫嫌いだとはな」
呆れた様に圭祐が言った時、
「美亜、ここか?」
と、タイミング悪く凌祐が入って来たのだった。