なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
なにやってんの私【追い出される】
脱力しきった身体が宙に浮いた。
途切れていく意識の片隅で誰かの首に抱きついていたことまでは覚えている。
とても優しくて、温かくて、落ち着ける場所だったってことも、記憶の片隅にあるけれど、その後のことが全く思い出せない。
そして全身が、痛い。
無駄にだるくて...
起きたらそこはホテルの一室だった。
と言ってもその辺の安いラブホテルじゃなくて、特別高級ってわけでもなく、普通のシティホテル(だと思う)
私は痛むお腹に手を当ててゆっくりと鼻呼吸を繰り返し、意識を自分の中へと向けて、ひとまず身体を労った。
頭が痛いのは昨日のお酒のせいだ。
世間では大晦日。
ニューイヤーズイブを祝うカップルたちはきっとどこかに出かけているんだろう。
新年が明けたと同時にキスとかしちゃうんだろうな。
今年も仲良く宜しくね! なんて言って手を繋いで歩くんだろうな。
そのあと神社なんか行って楽しい一時を楽しむんだろう。
そんなことが出来るんだって昨日までは普通に信じてたけど、壁に掛かっている時計は既に午前10時をお知らせしている。
私はこの1年に1度の貴重な時間を酔っ払って過ごし、いつ新年になったのかすら気付かず、年越しそばと新年のご挨拶もすることなく、新しい朝を迎えた。
真っ裸で下半身にだるさを感じて。
ほんのり回っている意識の中で覚えているのは、何回も泣かされて意識を吹っ飛ばされるほどに溺れたっていうこと。(そんな気がする)
私の上で誰かが激しく体を打ち付けていたことも、そうだね、体が覚えている。
相手? そんなもん知るわけないじゃない。
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