なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 パーティー会場は、ホテルからさほど遠くない場所のホテルでやっていた。


 てか、ぜんぜん普通じゃないし。想像していたのは立食パーティー的なごく一般のパーティーで、仕事帰りにも寄れそうなものだったのに、みんなドレスアップしてる。

 私、ドレスコードにひっかかるんじゃない?

 ひとりだけ普通のワンピースなんだけど。

 ここに来ている女性は、ぐわーっとデコルテ全開のセクシーなものだったり、ほぼ皆さま方ロングドレス。

 いったいこれはなんのパーティーなんだろうか。ちゃんと聞いとけばよかった。

 私はいつもこうだ。詰めが甘い。

 私、場違いだよ。

 完全に浮いてるんだけど。

 どうしようー。と、冬山君を振り向けば、既に名刺交換の真っ最中で、私のこと忘れてるっぽいし。

 どうしていいのか分からない。

 なにしたらいいの?

 辺りを見渡せば皆さま方グラス片手に談笑。顔見知りなのかなんなのか、グループになっていたりして、楽しそうに話していた。

 人数、多い。

 はじの方には食事が並べられたテーブルがある。きっと名前なんかがついていると思うけど、私には未知の世界すぎて、分からない。

 だからあれは『食事テーブル』でオッケー。

 そこに行ってるね、はじっこだし。と、言ってから行こうとして後ろにいたはずの冬山君を振り返ればそこに求めるべき人はいなくて、一瞬にして私の耳には雑音とフォークやナイフなどの金属音しか聞こえなくなった。


 いったい彼はどこに行ったの?

 いないってどういうこと?

 まさかのはぐれた? 私、迷子?


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