なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

「俺の首にしがみついて、離さないでって泣きながら言ってたぞ」

「...まさか」

「背中、すっげー傷だらけなんだけど。でもすげーかわいかったから許すけど」

「...ちょっと...待ってください...それ以外には? 何かしました? 私...私本当に...」恥ずかしすぎて消えたい。

 何か言いました? って聞きたいけど怖くて最後まで聞けない。

「キスしたままでそのままやってって言ってた。そのまま抱きしめて、深く深く私を感じさせてって言ってた。それって結構大変だったんだけど」


 私...本当に...穴があったら入りたいです......

 きっと今、私の顔はトマトのように真っ赤だ。

 いや、むしろこ宇宙の彼方までぶっ飛ばして欲しいです。

 永遠に見えなくなるまで遠くの方へ吹っ飛ばしてくれ! この際太陽系外でもいい。


「だから、お前はもう俺のものなんだから、前のそのろくでもない男のことはさっさと忘れろ。その方がお前の復讐計画もうまくいくだろう?」


まじですか。


「そんなことまで言ったんですか?」

「ああ、はっきりとな。復讐してやるって怖い顔して言ってた」

「やめて! それ以上言わないでください」恥ずかしさのあまり、耳を塞ぐ。

 これ以上何か言われたら私きっと立ち直れない気がする。



「荷物」

「......今持ってきます」

 だめだ、この人には逆らえない。思い出したくない気持ちもあるけど、思い出さなきゃならないような雰囲気もあって、私のこの優柔不断な性格上、こうやって何回も悩むことがこの先も数多く出てくるに違いない。

 私は仕方なく荷物を引きずってフロントまで持ってきた。

 萩原さんは荷物を受け取るとそのままスタジオを出...


「ここで一回やっちゃう?」


 悪魔の微笑みで耳元でささやかれたら身体はぞくっとなって、力が抜ける。


 でもダメ! ここはダメ!




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