なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
「スタジオの私用は禁止だろ?」
「そんなことまで! いや、でも店長に連絡してあるからたぶん大丈夫だと思います」
「そう?」
意味深にそう言うと、ホワイトボードに向かって何かを書き始め、その間に私は携帯のメールをチェックする。
ーーースタジオの私用は禁止なので、ごめんねーーー
なにこれ?
店長の意地悪。
「なんだって?」
「...」
萩原さん、こうなること全部知ってるんだ。そうだよ、スタジオのカギだって持ってたし、一体何をしている人なんだろうか? まさか萩原さんが社長とか? いや、それはないと思う。社長は年に数回しか帰ってこないって言ってたし。
明日からレッスンが始まるから店長に問い詰めれば絶対に分かるはず。
家がない私には他に成す術が無い。ホテルに泊まるにもお金がからかるし、1日だけ泊まるってわけにもいかないから、選択する余地はないわけだ。
今日は仕方ない、本当に仕方なくだ、ここにいよう。
「お前が昨日言ってた復讐計画その1の内容は、いつもキラキラしていることだそうだ」
は?
何その完全アバウトな戦法。それ本当に私が言ったの?
「それから、毎日を楽しむこと。それから笑うことだそうだ」
それは私が言ったっぽい。楽しむことと笑うことは心がけている。
でも...
「それをやることが手放して失敗したって思う要因になるんですか?」
「俺はこの道のプロじゃないからそんなこと聞かれても知らねー。ま、実行するのみなんじゃねーか?」
「はぁ......」
そうでございますか。
「しかしだ、俺もそんなに暇じゃない」
何してるのか聞いても言ってくれないくせに。
「ボランティアもしねー」
ん?
「ここに置いてやるがタダってわけにはいかない」
「それは! ちゃんとお支払いします。でもこんな広いところは無理なのでできればワンルームあたりで」
「身体で払ってもらう」