なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
お正月休みだから仕方ないけど、やはりお店は混んでいた。
しかし、50%オフ! とか、80%オフ!!
という表示が目に飛び込んでくるとそれだけでもう、気分は上がる!
人混みをかき分けて、以前から雑誌に掲載されて気になっていたお目当てのワンピを発見した瞬間、私の頭から余計なことが一切吹き飛んだ。
そのワンピ目がけて一目散に走る。
この時期にまだ残っているなんて、奇跡としか思えない!
手に掴んで引き寄せると、途中でその力が抑えつけられた。
ぴんと張られたワンピを自分の手元から辿っていくと...
しっかりと握って放さない女子が一人、こっちを睨んでた。
眉間に皺を深く寄せていて、目だけで殺されそう。
「こわっ」
思わず発した言葉は、人混みによる雑音にかき消され、誰にも届くことはなかった。
びくりとして手の力を緩めたその瞬間に、お目当てのワンピースは私の元からするりと離れ、その女子の手中に収まっていった。
あ...あぁぁぁぁぁぁ......私のワンピ......
がっくしと肩を落とした私は去っていくその女子とその手に握りしめられているワンピを空しく目で追う。
ストックが無いかその辺を見回したけど、もう既に何もかもが無くなりかけているところだった。