なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
この場合、どうしたらいいのか分からない。
萩原さん。
まただ。
もしかして私、萩原さんのこと頼ってる?
どうしていいか分からない時になるとなんだか分からないけど萩原さんの顔が浮かんでくる。
というか、すぱっと横から入り込んでくる。
無意識に頼ってるのかもしれない。よく分かっていない人なのに。どこかで信じてもいいかもって期待している自分がいるのかもしれない。
しかしだ、ずっとスタジオの外でうだうだしているわけにもいかないし。
スタジオのドアに手をかけて、今ある自分のこの気持ちを呼吸と共に外に流し、新しい新鮮な空気を頭のてっぺんから入れて、目を閉じる。
「よっしゃ。ひとまず気持ち入れ替えていこう」
くっと左右の口角を上げて笑顔を作り、プリンがふたつあることを確認して、思い切りドアを開いた。